野球漫画 水島新司先生の描いたキャラクターで打順を組んでみた

プロ野球

水島新司先生の描いたキャラクターでベストオーダー

野球漫画業界で数々の偉大なる作品を残してくれた水島新司先生、様々な個性的かつ魅力的なキャラクターもたくさん描かれてきました。そんな水島新司先生の作品の中から勝手ながら私なりにベストオーダーを組みたいと思います。

私は水島新司先生の大ファンであり、自宅には300冊以上の水島新司先生の漫画が置いてあります。ドカベントーナメント戦とあぶさんのソフトバンク時代あたりはまだ読ませてもらっていませんが、球道くん、一球さん、野球狂の詩、男どあほう甲子園、光の小次郎、おはようKジロー、など様々な作品に触れさせていただきました。水島新司先生の作品を見る事で様々な時代のプロ野球選手にも詳しくなれて、意外なルールの盲点ついてや野球の取り組み方を学ばせてもらいました。まだ読ませてもらっていない作品もありますが、自分なりに思い出に浸りながらベストオーダーを組んでみたいと思います、それではプレイボール。

スタメン発表

1番 サード 岩鬼正美(ドカベン)

言わずと知れた水島作品の不動の1番バッター、ストライクゾーンど真ん中はかすりもしないが、代名詞である悪球打ちで数多くの名投手と強敵を打ち砕いてきた。大甲子園での中西球道との対戦は見どころ十分、プロ野球編ではONが監督を務めるダイエーと巨人から1位指名され、王貞治監督率いるダイエーホークスに入団。プロ野球では幾度も主人公山田太郎とホームラン王を争う。またど真ん中を克服するために瓶底眼鏡をつけてみたり、逆立ちをして頭に血を登らせてから打席に入るなど工夫屋である。その破天荒な性格からドカベンにおいては欠かせないキャラクターであり、かつては岩鬼を主人公にする予定であったくらい活躍が目立つ大事なメインキャラである。柔道も強い。

2番 セカンド 殿馬一人(ドカベン)

数々の秘打で重要な場面で仕事を果たす大事な繋ぎ役。意外とあっさり三振をする描写も多く大抵はリズムが合わないと本人は話している。守備も天下一品で蝶のように舞い蜂のように刺す華麗な守備は幾度もチームを救ってきた。ピアノの演奏はプロレベルであり、明訓高校時代にウィンに渡航した時もあり、その際、帰国時にハイジャックされた飛行機に乗り合わせ、拳銃で肩を打ち抜かれたこともあった。またピアノを弾く際に弱点となる指の短さを克服するために指の間にメスを入れ指の間を開く手術をしており、それを生かしフォークを投げることができる。プロ野球編ではイチロー選手本人の希望により作中にてオリックスに入団。1番イチローと2番殿馬のコンビは他チームの脅威となった。初登場時は見るに堪えないルックスで登場し、ずっと両足の下にボールを敷いてローラースケートのように転がして移動していた。

3番 ファースト 国立玉一郎(野球狂の詩)

野球狂の詩にて岩田鉄五郎が所属する、東京メッツの不動の4番打者である。野球選手である傍ら、歌舞伎一家の長男として生まれ、女形を演じている。元々はプロ野球に入る意思はなく、家業を継ぐつもりでいたが、岩田鉄五郎による強行指名のため代替わりするまでという約束で東京メッツ入りをする。スラッガーとして活躍する球一郎であったが、男らしいスポーツである野球と歌舞伎の女形という対極な立場に葛藤をしながら野球を続けていた。野球狂の詩は始めは1話完結型で話が展開されていたため、国立玉一郎の回では引退して女形に専念するということで終結したが、その後の連載ではそのまま4番打者として登場している。作中でもかなりの強打者であり、よくホームランを打っているシーンが描かれている。本来は三塁が主なポジションだが、ぜひクリーンナップを打ってもらうためファーストで起用。

4番 キャッチャー 山田太郎(ドカベン)

水島作品において4番といったらこの男、ドカベンこと山田太郎。数々のライバルと切磋琢磨し、見事ライバル達を打ち砕く最強バッター。温厚な性格で人格者であり、エース里中智との信頼関係は厚くともに苦難を乗り越えてきた。打倒明訓、否、打倒山田と言わせるくらい強打者が名投手を生むという事を体現したキャラクターであり、数々のライバルと戦ってきた大甲子園や高校編の夏の大会は見ものである。登場初期からルックスは変わらず、いまより一層ハチャメチャであった岩鬼をなだめたり、収集が付かなくなる場面を見事納める役割を果たし、物語の進行役にはとても必要なキャラクターだった。そのため中学生編はある意味、岩鬼が主人公と言っても良いくらいな印象を受けるくらい最初は岩鬼が活躍する。大甲子園連載終了後に南海ホークスに入団予定で続編を考えていたが、現実世界でドカベンこと香川伸行選手が入団してしまったため断念したエピソードがある。後にイチロー選手や清原選手の要望があり、プロ野球編を連載開始、西武ライオンズに入団する。

5番 ショート 岡本慶司郎(おはようKジロー)

水島先生はショートで主人公キャラや主要キャラは描かれないのでユーティリティなKジローを抜擢。あまり知られていないが、もしかしたら水島作品の中で最強バッターに位置するかもしれないのが、おはようKジローこと岡本慶司郎。作中でも走攻守揃い、万能プレイヤーであると共に、ほとんどの打席でヒットとホームランを打つシーンが描かれている。ドカベンでは明訓5人衆はそれぞれに活躍の場があったが、Kジローはその役割を1人でこなしていたため頼りになり過ぎるくらい、ある意味反則級の実力を兼ね備えている。甲子園通算成績は1年夏のみで打率7割2分7厘、11本塁打、19打点を記録。作品内容は、野球部再建のために各部活からエース級の選手と相手の競技で勝負をして勝ったら引き抜き、Kジローの人柄に惹かれ共に甲子園を目指す内容になっている。それぞれのエキスパートが集まり、とても個性的な選手たちがそれぞれが少しずつ野球に向き合い、段々とうまくなっていくストーリーと個性を生かしたプレイスタイルと活躍の場と見どころがあり非常にワクワクして読める作品になっている。

6番 レフト 微笑三太郎(ドカベン)

明訓5人衆として活躍をした明訓高校の不動の5番打者で堅実な打撃を誇る微笑三太郎。山田太郎の次を打つ打順のため、あまり見せ場も与えられなかったが、プロ野球編にて突如な覚醒により3年連続本塁打王を獲得し、50本塁打を達成するシーズンもあった。松井秀喜と清原和博とクリーンナップを組み、山田のライバルとして立ちはだかった。スーパースターズ編でも堅実な打撃を披露していたが、明訓5人衆として集結するとどうしても控え目な成績に落ち着いてしまう。しかし、安定した成績と意外性のある打撃で幾度もチームを救ってきた。

7番 センター 真田一球(一球さん)

真田家忍者の末裔と言われ、身体能力が水島作品の中でも飛び抜けている。足の速さと肩の強さは天下一品で、野球素人がゆえ奇想天外なプレーをしてくれる。大甲子園でも山田太郎率いる明訓高校に対してもそのプレースタイルは本領を発揮して明訓ナインを戸惑わせた。一球さんは男どあほう甲子園の続きのお話であり、藤村甲子園とチームメイトであった丹波左文字の養子として富士山の麓で育てられた。男どアホウ甲子園もヤクザや右翼団体と乱闘があったり、命を狙われたりとかなりはちゃめちゃな作品であるが、それに引き続き一球さんも水島作品にしては奇想天外で混沌したストーリー展開で話が進んでいく。一球さんが入学する巨人学園の監督は藤村甲子園の女房役である、豆たんこと岩風五郎である。

8番 ライト 岩田武司(新・野球狂の詩)

東京メッツの岩田鉄五郎の孫であり、強肩強打として、最高のポテンシャルを持つ外野手である。投げては160km/hを超えるストレートを放りるがコントロールは良くは無い。並外れた長打力を生かし、二刀流として活躍した。打者としては年間40本前後を放つ実績を残している。父は岩田清志で東京メッツのエースとして活躍している。祖父岩田鉄五郎は生涯現役として、何歳になっても投げ続け、婿養子である岩田清志とはそりが合わないでいる。

9番 D H 七夕竹之丞(虹を呼ぶ男)

大甲子園が連載終了した直後に始まった虹を呼ぶ男の主人公。当時、赤鬼ことボブ・ホーナーといった現役メジャーリーガーが入団したヤクルトスワローズを舞台に作中では、契約金100円、年俸3億円でヤクルトに入団している。番号は「10000」。ポジションはサードで連載中に長嶋一茂が入団した事により長嶋一茂のライバルとしてストーリーが展開された。この作品もかなり破天荒なストーリーとなり、主人公である七夕竹之丞はバッターとして4打席連続ホームランを記録し、投手としては完全試合も達成している。まさに球界に表れた異端児で岩鬼正美に似たスーパースター級な活躍を見せる。また、作品途中からストーリーが一変し主人公七夕竹之丞は相撲各界入りを果たし、優勝も記録している。ちなみに当時のヤクルトスワローズの監督の関根潤三さんをとてもおもしろいキャラクターとして表現されている。

投手 藤村甲子園(男どアホウ甲子園)

男どアホウ甲子園の主人公、「いくで豆たん、はいなあんさん」の女房役岩風五郎との掛け合いは作中において決まり文句となっている。ちなみに豆たんこと岩風五郎は交通事故により一度失明をしてしまい、球筋の音を頼りに藤村甲子園の投げるボールを捕っていた。よく藤村甲子園に背負われ、失明しても連れ回されていた。ストレート一本槍のスタイルは歴代の水島新司先生が描くどのピッチャーよりも迫力があり、勢いと根性でどんな相手でも薙ぎ倒す姿はエースの真の姿のとして君臨していた。近い性格として中西球道があげられるが、わたしはこの2人の性格が水島作品の中で一番エースらしく描かれているように感じる。ストレートは当時から165km/hを超最終回では幼い頃からに宣戦布告した長嶋茂雄と約束通り対戦を果たす。男どアホウ甲子園は話の内容がどんどん展開され、かなりはちゃめちゃなストーリーとなっているが、そういった作品の主人公だけあり、かなりわがままな性格でよく人とトラブルを起こす。また、意外とナイーブな一面もあり決してヒーローのようなカッコいい性格の主人公ではない。大甲子園では甲子園球場の整備士である祖父と一緒にマウンドを整備しているシーンが描かれている。

中継ぎ 岩田鉄五郎(野球狂の詩)

本当は先発でも良いかと思ったが、良い場面で代われとベンチから飛び出すことを想定して中継ぎとして配置した。投げない時はベンチから采配をとってほしい終戦後、「東京倶楽部」(のちの東京メッツ)に入団。戦前から学生野球の名投手として注目され、プロ野球でもエースとして長らく活躍していた。初登場時の1973年にはすでに50歳で通算149勝を上げ、婿養子である岩田清志からは150勝の達成なんて大したことない。早く引退をするよういつも嫌味を言われていた53歳の時に、引退宣言して、控えピッチャー全員をベンチから外しぼろぼろになりながらも9回完投するが53失点、投球数688という記録を樹立したが試合後、野球愛に更なる熱が入り引退を撤回した。決め球は超遅球と呼ばれるスローボール「ハエ止まりである。作中ではフォークボールを最初に投げたのも岩田鉄五郎が日本で最初とされている。水島作品では所々大事な場面で時には投手として、時にはスカウトとして重要なキャラクターとして登場する。ちなみに「あぶさん」にて主人公景浦安武を南海ホークスに入団させたのは、スカウト岩田鉄五郎である。(野球狂の詩とは別人)また、別作品の「ストッパー」では三原心平のライバルとして72歳で現役復帰を果たし、「ドカベンVS野球狂の詩」では80歳にて投手兼監督として登場している。水島作品において岩田鉄五郎なしでは語られない。

抑え 水原勇気(野球狂の詩)

ストッパーは三原心平(ストッパー)と悩んだが、やはりこちらも水島作品の中で有名なキャラクターである水原勇気を抜擢したいと思う。岩田鉄五郎が高校女子野球部に在籍していた水島勇気の素質を見出し1975年に東京メッツに入団する事になる。当時も存在しなかった左投げのアンダースローのピッチャーであり、コントロールが良く、ストレートがバッターの手元でカーブやシュート方向に変化する技巧派ピッチャーである。しかしプロ野球のレベルは高く、それだけでは抑えることが出来ない2軍捕手であった武藤兵吉が、水原が次々に空振りを取る夢を見てドリームボール習得への特訓が始まった。しかし考案者である武藤兵吉広島カープにトレードで放出されてしまい、岩田鉄五郎特訓を引き継ぎ、ボウリングを取り入れたトレーニングなどもあり、ドリームボールを身につけるドリームボールの特徴は、フォークボールの握りでボウリング投法による下手投げによりストレートがホップし、打者の手前でスクリューボールのように揺れながら落ちる。いわゆるナックルボールの派生の球である。

代打 景浦安武(あぶさん)

初めは5番レフトで使おうと思ったが、やはりあぶさんは代打が一番似合うと思う。1973年に南海ホークスに入団し、酒呑みが故にスタメン出場するだけの体力と集中力がなく、代打専門として活躍していた。酒をテーマにした話が多く、ビックコミックでの連載であったため、大人向けの内容であり、当時の渋いパ・リーグの雰囲気を見事表現されている。始めは代打専門として活躍していたあぶさんだったが、途中からスタメン出場も増えていき、南海ホークス末期ではほとんどスタメン出場をしており、ダイエー時代には1991年から3年連続3冠王を達成している。2007年60歳の時にはシーズン打率4割を達成している。ダイエー時代から年齢と成績が非現実的になってきている。水島先生自身も南海ホークス消滅と共にあぶさんを引退させる予定もあったが、当時南海ホークス監督だった杉浦忠に一緒に福岡に来てくれるねとお願いされたため、連載を継続する事を決意したエピソードが残っている。2009年62歳のシーズンで引退を決意し、最後は代打稼業として1年間を過ごしている。

あて馬 島小太郎(野球狂の詩)

あて馬と言ったらこの人。東京メッツに入団して11年目から15年目まで偵察要員である「あて馬」のみで起用され続けてきた。岩田鉄五郎がチーム不甲斐ないプレーに激怒し、脳溢血で倒れた際に岩田鉄五郎の指名で最終戦に監督代行を勤めたスタメンの一軍野手を全員「あて馬」にして二軍メンバーを起用した結果、自身のサヨナラヒットもあり見事勝利したエピソードが描かれている。5年間あて馬として起用されていた島小太郎だがバットを磨くなど常に道具の手入れを怠らなかった姿勢が岩田鉄五郎にとても評価されていた。その後は意外と試合に出場しているシーンは多く、4番を打っている場面も描かれている。

ベンチ

捕手

武藤兵吉(野球狂の詩) 岩風五郎(男どアホウ甲子園) 小林満(あぶさん)

内野手

土井垣将(ドカベン) 丹波左文字(男どアホウ甲子園) 青空晴太(新・野球狂の詩) 軍司巌(光の小次郎)

外野手

中西大介(球道くん) 武蔵坊数馬(ドカベン) 野呂甚句寿(野球狂の詩) ゴリ(野球狂の詩)

投手

里中智(ドカベン) 不知火守(ドカベン) 景浦景虎(あぶさん) 新田小次郎(光の小次郎) 犬飼知三郎(大甲子園) 土門剛介(ドカベン) 中西球道(球道くん)三原心平(ストッパー)火浦健(野球狂の詩)

以上が私の考えた水島新司先生の作品の中での夢のベストオーダーです。人それぞれに思い入れと好きなキャラクター、選手がいると思いますので、これが正解というものは無いと思います。ただ私は小学生の頃から自分の好きなオーダーを考えるのが大好きでしたので、今回も好きなように空想しながらオーダーを組んでみました。みなさんもこんな空想で是非野球というものを楽しんで頂けたらと思います。

出典:日本コロムビア CPY-685 『水島新司の世界』

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