脱力が鍵、力を使わずバットを振るとはどういうこと?バットの重さと遠心力、てこの原理を活用する体の使い方①
以前に、バッティングの基本においてバットのヘッドの使い方とスイング軌道についてお話をさせていただきました。バッティングをする際に正しくヘッドの重さを使い、遠心力とてこの原理を活用できるスイング軌道を描くと力を使わずともボールは遠くに飛んでいきます。
今回はどのように意識して体を使えばバットとボールに力が伝わるのか、その方法と意識付けについて、実践と練習方法を交えながらお話をしたいと思います。
こちらをみてもらえれば分かると思いますが、スイングは軸となるグリップエンドと手を向かってくるボールの直線上に最短距離で入れると共にバットのヘッドを体の後ろから大きく弧を描くように加速しながらインパクトまでバットを持っていきます。
バッティングの基本 YouTubeから学ぶこと(ホーライスイング、令和スイングetc)
その際に重要になるのが、支点となるグリップエンドを固定し作用点となるバットのヘッドを走らせるてこの原理の使い方と遠心力と重力を利用することが必要となります。この力の使い方を理解して、いかに自分の力を使わずにいかにヘッドを走らせることができるのかが重要になります。
そして、バッティングというものは野手が取れない強い打球と間を抜く打球、遠くに飛ばすことが求められますが、その最高点がホームランです。ようするにバッティングにおいて、打球の飛距離、速度、角度が重要になります。打率を上げたければ打球に角度をつけて、強い打球を打つ事が必要になります。この原則に則っていかにボールに力を加えられるか考えていきましょう。またそういった事を数値化しているのがホークアイになります。詳しくは下記の記事を見てみてください。
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脱力が鍵
結論から言いますと、構えとバットスイングをする時は常に脱力している必要があります。あくまでも腕と手は、向かってくるボールのラインに入れるガイド役であり、インパクトの瞬間だけに一瞬の力を込めます。そしてフォロースルーも力を抜いて逃がしてやります。言葉にすると簡単ですが、この体の使い方はコツを掴まないととても難しいものがあります。
インパクトの瞬間にバットのヘッドの力をボールにぶつけ、下半身の回転と体重移動のぶつかる力でボールは飛んでいきます。そのためには余計な力を使わないことが大切になります。今回は力の伝わり方と脱力というキーワードを軸にして、意識付けの方法と感覚の身に着け方、練習方法を交えて解説していきます。
トンカチで釘を打つ
皆さんは何に注意してトンカチで釘を打ちますか?力いっぱいトンカチを握って釘を打つでしょうか?釘を正確に打つためにはトンカチを軽く握り、釘を押さえている手を打たないよう標準を正確に捉え、手首を使い振り下ろすと思います。がむしゃらにトンカチを振り回すと釘と違うところを打ち大けがに繋がる可能性もありますし、力が思ったより伝わらず何度も打つ羽目になり、結局疲れてしまい非効率なやり方になってしまうでしょう。力を抜いて正確に捉え、トンカチの重さを利用して釘を打つ、この感覚をバッティングでも応用しましょう。
実践方法、練習方法
松永浩美さんのインパクト時にバットを止める練習
今回お話した内容を体に染み込ませる練習方法を元ダイエーホークスの松永浩美さんが解説してくれています。皆さんにもぜひ実践してみてもらえたらと思います。この練習法は構えとスイング始動の時点でしっかり脱力していないとバットがしっかりとまりません。またインパクトの瞬間にバットを止めるという事は、全身の力のすべてを使い一局集中を意識しなければバットはしっかり止まりません。また体の使い方、力の入れ方も自然と身につくと思います。
フォロースルーで感覚を掴む
そしてフォロースルーのお話をすると、インパクトの瞬間に力を入れるという感覚でバッティングをするとどうしても予備動作として、どうしてもインパクト前に力が入ってしまいます。そのためインパクト後のフォロースルーをする時に力強くバットを振るという感覚を持つとちょうど良くインパクトの瞬間に力が入り、バットに力が伝わる感覚が分かると思います。
その意識付けとして、素振りにてバットを遠くに投げる練習をしてみてください。バットを遠くに投げられる程バットに力が伝わっていることになります。
コツとしては、動画見てもらえれば分かりますが、バットのスイング軌道を地面と平行にして投げる事は結構難易度が高いです。そのため縦振りを意識してゴルフスイングのような少し低目の球を意識をして下からバットの軌道を通してみてください。動画では3:40あたりの選手のスイング軌道がとても望ましいと思います。あくまでもこの練習方法は意識付けのための物なので、高めの球も下からバットを出しなさいということではありません。くわしくは縦振りについて後ほど解説したいと思います。
以上のように脱力してを意識して、いかに力の入れどころを理解して自身の感覚に身に定着させることができるのか、このことがバットの重さ、遠心力、てこの原理を最大限に生かす方法になります。
縦振りについて
今回お話した事を理解したうえでさらに深め実践した方法が縦振りになります。このスイング軌道はイチロー選手や稲葉篤紀選手がバッターボックスに入る前にルーティンとして実践されています。次回はバットの重さ、遠心力、てこの原理をフルに活用した縦振りについてお話をしたいと思います。
次回 バッティングの基本 縦振りについて ②肩と体の軸を縦に使う
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