東京大学からプロの世界へ!? データアナリスト 齋藤周(あまね)さんについて 野球のおもしろさを再認識 ソフトバンクホークス

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東京大学からプロの世界へ!? データアナリスト 齋藤周(あまね)さんについて 野球のおもしろさを再認識

東京六大学で、長年シーズン最下位を記録している東大野球部ですが、他の5校の大学はスポーツにも特化しており、選手を集め、野球部員は毎日練習に明け暮れている強豪校です。そんな大学に囲まれる中、東大野球は文武両道を実践し勉強があるにも関わらず、野球部に入る方々は本当の意味で野球好きだと言えると思います。そんな東大野球部ですが、過去にロッテの小林至投手やヤクルトの宮台康平投手など数人のプロ野球選手を輩出しています。そして今年2022年からソフトバンクホークスに「データアナリスト」という役職でプロ野球入りする選手が現れました。特殊な形でプロ野球の世界でお仕事をされる齋藤周(あまね)さんについて今回は解説をしたいと思います。またデータを通して野球のおもしろさについて再認識して頂けたらと思います。

データアナリスト 齋藤周さんとは?

齋藤周さんは東大野球部の選手として2018年に入部されました。小学生から野球を始め、東大野球部では主に内野手としてプレーされていましたが、自身の故障により裏方に周り、データ分析や戦略について研究されてきました。選手の能力や技術を数値化して、ピッチャーの練習ではラプソードという機材を導入して、ボールの回転数、軸や角度、変化球の質などを数値化して分析をされてきました。ラプソードはプロ野球やMLB球団なども採用しており、メジャーリーガーのダルビッシュ有投手が自主トレで利用されたりとピッチングの分析には現代野球では必要不可欠なものになっています。

ダルビッシュ有選手のラプソードを使った練習風景と自分の球質についての解説

バッティング練習でも打球速度や打球角度を計測を実践しており、打者の傾向やタイプ、特性を研究してデータと根拠を元にして、選手に助言をしたり、練習内容を一緒に検討したりとデータをフルに活用して技術向上を図ってこられました。現代野球ではこういったデータはとても重宝され、今まで感覚で感じていたものをデータや数値で可視化され、知識として理解するため再現性や確実性が上がるメリットがあります。

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こういった齋藤周さんの取り組みは野球部の部員と監督にも絶大の信頼を得て、実践や試合にも生かし、2021年の5月の法政大学戦では、ヤクルトスワローズにドラフト1位で入団した山下輝投手から先制点を叩き出し、見事のその試合は勝利を収めリーグ戦での連敗を64でストップさせたという結果を残しました。

SNSやインターネットで情報発信 ソフトバンクの目に止まる

自身のTwitterやサイトでは野球をデータからひも解き、独自の戦略や野球観を表出しており、今までの常識と捉えられていた戦略も見直され野球界に新たな価値観を生んでいます。

そんな齋藤周さんですが、一般職に内定が決まり働く予定をされていました。しかし、野球のおもしろさに魅了され、自身の研究や得意分野を生かすことを決意され、発信し続けたことでソフトバンクホークスの目に止まりデータ分析班として誘いを受け、入職が決定しました。

今シーズンからの齋藤周さんの活躍に期待したいですね。

出典:https://www.google.com/amp/s/4years.asahi.com/amp/article/14456807 撮影・朝日新聞社

齋藤周さんの取り組み

先ほどもお伝えしましたが、齋藤周さんは、選手の能力や技術を機材を使い数値化してきました。そのデータから根拠を説明し、自ら実践することでチーム浸透していき結果へと繋がっていきました。

投手が投げたボールの質を回転数、軸や角度、変化量として数値化。打撃においては、打球速度、角度や方向、傾向についてデータを集めて分析したことで、今まで感覚として捉えてきたものを可視化され、根拠と取り組みが明確となり改善の効率化が図られました。これは私の捉え方ですが、データを過信、依存してデータ上の事だけで判断をするのではなく、感覚や選手の能力、試合運びといった、今までの感性と知識をさらに生かすためにデータや数値で根拠を明確にするといったあくまでも補助と共生の役割を果たしたのではないかと思います。特に打撃では打球が最も飛びやすいとされる、打球角度10度から20度を意識した練習を行い、打撃強化が成功しました。

データを生かした場面

東京六大学リーグの試合では、このような場面がありました。対早稲田大学との試合で走者なしの場面。バッターは甲子園でも活躍した強打者の蛭間拓哉選手(左打ち)です。引っ張り傾向で長打多い蛭間選手でしたが、上級学生になるに連れ逆方向へのホームランも増えてきました。しかし、東大野球部は三塁方向にゴロの打球は飛ばないと判断し、東大野球部の守備陣は、三塁手をライトの前に移動し、一二塁間をされに埋める守備シフトを敷きました。結果その場面は空振り三振となり、蛭間選手のバッティングを崩しシフトは成功となりました。もちろん三塁方向がガラ空きになることはリスクを背負う事になりますが、シフトが変わることでバッターの意識は変わり、配球や狙い球も絞込みづらくなる事もあり、また得意なコースを捉えてもヒットコースに選手が居ることでバッターはヒットを1本損する事になります。

また走塁の意識として2塁ランナーを進める進塁打についてこのように言及されています。「ノーアウト2塁とワンアウト2塁では明確に区別すべきだと思います。ノーアウト2塁からワンアウト3塁では59%から63%と得点確率がわずかに上昇しますが、ワンアウト2塁からツーアウト3塁では40%から27%と得点確率が大幅に減少するからです」

この事から場面によっては進塁打を狙うべきか、タイムリーヒットを狙うべきか判断基準が生まれ、一概に犠牲の精神が必ず得点に結びつくとは限らないことを根拠づけてくれました。しかし、このデータが全てではなく、次のバッターの打力や、ランナーの走塁技術、バッテリーの後逸の確率など様々な要素も加わるため、このデータも一つの要素として取り入れ、その場面にあった戦略と選択をしていくという新しい価値観が作られたと思います。

また強化した走塁意識や盗塁については、2021年秋季リーグにてチーム盗塁数はリーグ最多の19個を記録、成功率86%と驚異の数字となり、適切な場面で根拠を持って進塁を志した結果だと思います。連敗を止めた法政大学戦では2回に2アウト1塁の場面で代走を出し、初球からスチールを敢行。見事成功した後にライト前のタイムリーヒットでドラフト1位山下輝投手から先制点を上げました。

東大野球部DX計画!|齋藤周 / Amane Saito|note
学生スタッフ兼データアナリストとして東大野球部に所属する齋藤周が、東大野球部にDXを起こし、六大学優勝を目指します!

まとめ

以上がデータアナリストの齋藤周さんの取り組みと活動についてのご紹介でした。今年からデータ分析や数値がどのように野球に影響されて生かされるのか、野球の発展とファンの楽しみをさらに与えてもらい私自身もとてもワクワクしています。本人のTwitterとnoteのリンクも貼っておきますので興味のある方はぜひチェックしてみてください。私は野球への新しい視点と価値観を見出していてとてもおもいしろく読ませてもらっています。

また大学生の視点や、新たにプロ野球の世界に飛び込んだことでの気づきや考えをタイムリーに発信してくれていますので、データや野球の戦略に興味のある方やその世界で活躍を望まれる方はぜひ触れて欲しい内容だと思いました。自分では考えもしなかった価値観に触れさせてもらいありがとうございます。

齋藤周 / Amane Saito|note
東大野球部 #50 学生スタッフ兼データアナリスト → 福岡ソフトバンクホークス GM付データ分析担当

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