バッティングの基本④ 落合博満選手のバッティング理論 バッティングの原点

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落合博満選手のバッティング理論 バッティングの原点 

私は自身のサイトでバッティングの基本についてお話をさせて頂きましたが、このサイトの理論は基本的には全て落合博満選手のバッティング理論を基にしてお話をさせて頂いています。若干私の解釈も入っていると思いますが、落合博満選手の言葉巧みにバッティングについて様々なお話をしている事を、自分で理解できるように咀嚼したものをこちらのサイトにて開示させて頂いています。

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そのため、落合博満選手のバッティング理論のお話と言ってもすでに殆どお話をさせて貰っているので、今回は落合博満選手の理論を本人の言葉のまま、ピックアップしたものを解説したいと思います。

落合博満流バッティング理論

それでは落合博満選手のバッティング理論について、落合選手の言葉から紐解いていきたいと思います。

バッティングはシンプルに
バットは小指だけで握り、他の指は支えるだけ、(ボールを打つ時に全ての指で握る)
予備動作を作ってゆっくりと動く
間を使う
ただ手を先に出すだけ
バットはただ振り下ろす(ボールの下を潜らせる)
今回は以上6点の事についてお話をしたいと思います。

バッティングはシンプルに

まずバッティングの原点として、全ての動作に無駄がなくシンプルな動きをやり通す事が大切だというお話をされています。無駄な動き、無駄な力みを持ってしまうとバットが遠回りしたり、打ち損じる可能性が格段と上がってしまいます。よくバットの構えを傘を持つ位置で楽に構えると野球少年は1番最初に教わりますが、落合博満選手はその通りの構えでバットを自分の正面に置き、バットを高く上げる事もせず、余計な力を入れず、自然体で構えています。落合選手も新庄選手も構える前に一度バットを高く掲げてから、自分の構えの位置にグリップを置きますが、この動作について新庄選手は肩甲骨の力みやロックを外すために一度、力を入れて肩甲骨を上げてからストンと落とすとお話をされていました。リラックスの常套手段として、一度思い切り力んだ後、ストンと力を抜くと自然体に体を持っていけるという方法があります。リラックスしよう意識し過ぎると、いざ体を動かす時に咄嗟にに力みに繋がりますので、先に力みを頂点に持って行くことで、それ以上の力みを防げる効果があります。

バットは小指だけで握り、他の指は支えるだけ、(ボールを打つ時に全ての指で握る)

落合博満選手は構えている時にバットは小指だけで握り、他の指はただ支えるだけとお話をされています。こちらは先程の構えのお話に通じますが、構えている時はなるべく力を使わず、自然体で打席に立つ必要があります。力を100%使うタイミングはあくまでもインパクト時の一瞬になります。この事を野球経験者でしたら大抵の人は理解している事だと思いますが、意外とこの言葉の感覚を掴んでいない人が多い印象を受けます。大抵の方はこの一瞬に力を込めようとして、自分が思っているよりも早くインパクトの前からすでにグリップをしっかり握ってしまい、力みのあるスイングをしてしまいます。そういった事を防ぐために落合選手は構えの時点でなるべくバットを握らず、最終的に力を一番加えるために必要な小指だけでバットを握り、軽くバットを振り出し、グリップは最短距離、ヘッドは弧を描き、バットを鞭のようにしならせ、インパクトのホント一瞬のタイミングだけの時にバットをしっかり握ります。この感覚を掴むために、バットを落合博満選手のように握り、インパクトのタイミングでバットを止める練習をしてみてください。この練習は元阪急ブレーブスの松永浩美さんも推奨している練習で、この練習方法に落合選手の脱力からインパクトの時の100%の力を使うという感覚を掴むとこの言葉の意味を捉えたと言っても良いと思います。

練習方法と理論紹介

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予備動作を作ってゆっくりと動く

これもまた、構えの自然体からインパクトまでに通ずるお話ですが、せっかく自然体でいる体を急ぐように体を使ってしまうと、これもまたいらない力みに繋がってしまいます。この現象は無から動に体を動かそうとする時に起きてしまいます。常に体は動から動へと繋いでいき、そのためには体を動かす前に予備動作というものが必要になります。予備動作は現代野球で言うとヒッチとコックというものになりますが今回はその説明は省きます。ヒッチとコックは慣れていない人がするとヘッドダウンに繋がったり、二度引きのクセが付くように感じていますので、今回オススメするのはトップまでの割れの動作をピッチャーの動作と合わせて早めに始動してゆっくりと一直線にトップまでの位置に持っていく事を基本としてやって頂けたらと思います。要するにスイングする前に体が固まっていたり、体のどこかしらが常に自然体で動いている状態からトップまでの動作をゆっくり行えたら十分予備動作になるのではと思います。

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出典:https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2018/12/14/gazo/20181214s00001000218000p.html

間を使う

次に間についてのお話ですが、先程お話をした動から動を意識して貰い、早めに始動をしてトップを作る事を基本として、そこからピッチャーが投げてくるボールを懐を深くする感覚でゆっくり見る事が大切になります。もしくは自分の打ちたいミートポイントにバットを出すまでの動作に焦りや力みがなく、急がず、スムーズにバットを出せる感覚を身につけましょうというお話になります。そのためには、自然体でバットを構える事から始まり、ピッチャーの動作から遅れる事なくトップを早めに作るというクセを付ける必要があります。そして、向かってくるボールに足でタイミングを合わせ、踏み込む足は爪先の方からゆっくりと着地して、足が着地したタイミングと同時にボールを捉えている感覚でバットを振っても良いと思います。あくまでもタイミングを図るのは足になり、手やトップの作り方でピッチャーとのタイミングのズレを誤魔化す事は絶対に避けましょう。

ボールを我慢して耐えるのも、速いストレートに対応するのも全てタイミングについては足の我慢や体重移動の早さで対応するようにしましょう。

ただ手を先に出すだけ

落合博満選手はバットの振り方について、ただ手を先に出すだけとお話しされています。よく少年野球のコーチや学生野球の頃に、腰を回すようにとか、後ろ足をしっかり回転させるとか、様々な体の部位の回転を意識するように教えられたと思います。しかし、落合選手は体は勝手に回るものであり、一番最初に動き出す物はバットを握る手だとお話しされていました。腰の回転を意識すると体が開く原因になり、後ろ足の回転を意識すると軸の折れに繋がってしまいます。落合選手はそういった無駄な部分の意識をするのではなく、ただミートポイントに向かってスイングするために手を前にポンと出すだけで自然とバットは無駄な力を使わずスイングできるというお話しをされています。そしてこの理論を成り立たせるために、割れとトップをしっかり作り、自然体でバットを振り出し、ヘッドを弧を描くように遠回りに出す事でボールにバットの重さとスイングの力がしっかり伝わり、強い打球を打てるようになります。この「ただ手を先に出すだけ」という言葉は、グリップを向かってくるボールのラインに最短距離で出すという意味を強く含んでいます。

バットはただ振り下ろす(ボールの下を潜らせる)

ここの部分についてはインパクトについてのお話しをされています。以前、大谷翔平選手のスイング軌道と従来のホームランアーチストの違いについてお話をさせて頂きましたが、落合選手はバットの重さを利用して重力に逆らわずバットを落とすような感覚(薪割り)で振り下ろし、その力でボールを捉え、ボールの下にバットを潜らせる事で打球に角度と力を加えます。大谷翔平選手やフライボール革命の打ち方はこの理論とは真逆で、振り下ろしたバットが下から上に向く時にボールの真芯を捉え、バットがボールを下から捉えているため必然と角度が付くという打ち方をされています。

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以前もお話をしましたが、この2つの打ち方は一概に対局に位置する打ち方とは言えません。力の加え方は同じであり、インパクトの瞬間のボールを捉える、角度と接点の違いにあります。落合選手はあくまでも下から掬い上げるのではなく、レベルスイングで捉えたボールを角度を付けるために下に潜らせるという方法を取っているという事になります。従来のホームランの打ち方はこちらの方が主流となり、私はあくまでもこちら打ち方が基本と考え、そのうえで大谷翔平選手のように角度の付け方を研究されて、自分の感覚として取り入れて、掬い上げているように見えるバッティングフォームに変化しても良いと思います。

ノックを打つ際にどちらがフライを上げやすいか実践すると分かりやすいと思いますので、是非実践してみてください。 
こちらで詳しく解説されています。

まとめ

以上が落合博満選手の言葉からバッティングの原点についてのお話しでした。落合選手の理論についてはご自身が様々な場面でお話しをして頂いていますが、言葉少なめに伝えたり、言い回しが独特であり、分かろうとする人だけに分かるように伝えようとしている意思が言葉選びから伝わってきます。イチロー選手のインタビューについても通ずる部分がありますが、ご自身の感覚や心境をご自身の言葉選びで丁寧に伝えようとしてくれているため、その感覚を掴んでいない人からすると、ピンときづらくなってしまうのかなと思います。しかし、落合選手やイチロー選手のような高度な技術を持った選手が、簡単な言葉で誰にでも分かるような内容を話をしてしまうと、最高の経験と技術、感覚が逆に伝わりづらくなり、薄い内容になってしまうジレンマがあると思います。そのため、読み手はなるべく相手の言わんとする事をニュアンスでも良いので、本質を捉え、自分の感覚に置き換えて、自分の中に取り入れる、解釈するという能力と過程が必要になると思います。そこでまた新たに疑問となる部分や繋がる部分が出てくると思いますが、それが知識を深める本当の意味になると思います。私は答えが合っているかはともかく、まずはなるべく自分の感覚と解釈と照らし合わせ、実践して、答え合わせをするように心掛けています。

古田の方程式(古田敦也 公式チャンネル)から

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