右投げ左打ちの選手に有効!?大谷翔平選手やメジャー流 押し手と引き手の感覚 縦振りとアッパースイング
前回は、押し手(後ろの手)と引き手(前の手)の役割についてと、利き手を押し手として使うメリットについてお話をさせて頂きました。そのため右投げ左打ちの選手は、利き手を押し手として使えないため、最後の一押しが弱い事と、ピッチングフォームのバッティングフォームに通ずる体の連動性を体感しづらい事がデメリットとしてあるという事をお伝えさせて頂きましたが、今回は右投げ左打ちのメリットと有効になるであろうバッティングフォームについて解説をしたいと思います。
前回 バッティングの応用② 自分の利き手を知る 右投げ左打ちは意外と不利!? 大事な押し手の感覚
右投げ左打ちの選手の感覚
右投げ左打ちの選手は利き手が引き手となりますので、どうしても前でボールを捌く感覚があります。また、押し手でボールを押し込むという感覚も得られづらく、つい軽打に走ってしまうケースも少なくありません。そういった右投げ左打ちの選手に多いパターンの改善としておすすめしたいバッティングフォームが大谷翔平選手や柳田悠岐選手のような縦振りを生かした、打球に角度をつけるフルスイングです。
このスイングのメリットとしては、手の感覚をはじめに掴むのではなく、先に体と肩のラインや軸を意識して、体全体をフルに使ったスイング軌道になります。そこで今回お伝えしたい理論は、根鈴雄次さんによりメジャーリーグ流のスイングになります。
先に断っておきますが、全ての右投げ左打ちの人にこのバッティングフォームをおすすめしたいという事ではありません。少しでもバットを強く振る感覚が身につけて、強い打球を打てる感触を掴んでいただくために試行してみる、感覚として取り入れるという事をしていただけたらと思います。
根鈴雄次さん ボールを強く叩けるスイングとは
まず、根鈴雄次さんの理論についてお話をする前に予習をとしてこちらの3つの記事を流し読みして頂けたらと思います。



要点だけをまとめますと
今からお話する理論はこの事を目標、目的として実践していく感覚を掴むために役立つと思いますのでぜひ参考にしてみて頂いたらと思います。
メジャーリーグ流スイング軌道
根鈴さんの指導するスイング軌道(オリックス、後藤駿太選手が実践)
この動画は【根鈴道場】アラボーイベースボールチャンネルの動画になります。
根鈴道場の根鈴雄次さんは日大藤沢高校で1年生からレギュラーで4番を務められましたが高校中退、その後渡米して日本に戻られてから高校の卒業の資格を取得。法政大学に進学し野球部に所属、主に代打として活躍する。卒業後は再び渡米され、モントリオール・エクスポズと契約。マイナーリーグからメジャー昇格を目指した。その後はマイナーリーグ・独立リーグと複数の球団でプレーされ、2007年から日本の独立リーグの複数球団でプレーされ2012年まで主力選手として活躍された経歴の持ち主です。また独立リーグではコーチの経験もあり、現在はご自身で開く野球塾、根鈴道場を運営されています。
根鈴さんの理論の特徴
根鈴さんが指導するバッティングフォームの特徴として、後ろの肩を下げる事で、体とバットに角度付けている。バットが体に巻き付くようにスイングされバットを縦に使っている。この2点が特徴的な点だと思います。
大谷翔平選手や柳田悠岐選手もこのようなスイング軌道に近いスイングをされていますが、特に意識する点としてバットを振り抜く際に引き手の手の平がピッチャーの方を向いていることが重要になります。特に引き手と押し手の感覚が掴めない人や感覚を掴みづらい右投げ左打ちの選手はこの点に注目して頂けたらと思います。
この動画のように引き手の手の平を見せる事で、押し手がスムーズに使われ、自然と押し手でヘッドを返す感覚が得られるメリットがあります。テニスのバックハンドの動作にも共通しますが、硬式テニスの場合はラケットに両手を添え、引き手の手の平は正面を向いてはいませんが、引き手を先に出すことで壁を先に作り、その後に押し手の力を利用してラケットを振っている事が分かると思います。
このように引き手の甲を見せず、手の平を投手側にみせる事で、押し手の感覚をいまいち掴めなくても、肩のラインで引き手を自然と誘導され、結果的に押し手でヘッドを返すスイングがスムーズにできると思います。
また根鈴さんのスイングの特徴として、バットが体に巻き付くようにスイングされているため、体の重心をフルに活用することができます。スイング軌道を意識したり、バットを手の感覚で振るのではなく、肩のラインと縦振りを意識することによって自然とバットのヘッドが加速されて、押し手の一押しも自然と身に付くと思います。
根鈴さんのスイングの習得の練習方法については動画のリンクを貼っておきます。
また詳しく根鈴さんのスイングについて知りたい方は、根鈴道場のホームページを除いてみたらいかがでしょうか。

まとめ
今回のお話は、引き手と押し手の感覚がうまくつかめないと感じる人ために、感覚を得るための一つの引き出しとしてご紹介しました。
またこのようなスイング軌道を取得するためにオリックスバファローズの吉田正尚選手がバレルバットという野球ギアを使って練習されていました。バレルバットとはグリップ付近に重りがついているため、自然とヘッドが下がる構造となっており、今回お話したスイング軌道が自然と身に付くようになっています。
最後にオリックスバファローズの杉本選手がホームラン王を獲得した2021年とレギュラーを掴む前のスイング軌道をそれぞれ比較されていましたので今回お話した事を加味して、ぜひ確認してみてください。また、先ほどの後藤駿太選手や江越選手、杉本選手の練習風景はあくまでも意識付けのためによる物なので、実際のバッターボックスではあのように極端なスイング軌道にはなりません。あくまでも微妙な動作の違いになりますので、その点も杉本選手のバッティングフォームを見て確認して頂けたらと思います。
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