選球眼の鍛え方 スイングアプローチについて BB/Kとバッティング 

スキルアップ

選球眼の鍛え方 スイングアプローチについて BB/Kとバッティング 

皆さんは選球眼をどのような意味で捉えているでしょうか?ストライク、ボールの見極めができる、しっかりボールを見ることができる、と言ったイメージを持たれる方が多いと思います。

しかし、ピッチャーとバッターの距離は18.44mのため、ボールの判断も一瞬で行わなければいけません。そのため、視覚で判断するには限界があり、バッターの、反射、判断能力に委ねられる割合が多くなります。

今回はバッターの判断能力、タイプを分析し、BB/Kという指標を元に選球眼というテーマを考察をしたいと思います。

選球眼の良い打者の定義

選球眼とは、ボールとストライクを見極める能力、ボール球を振らず四球を取る能力などと解釈されることが一般的だと思います。しかし、選球眼を明確に数値化する基準、定義は設定は確立しておらず、あくまでもボール球を振らず、四球の多い打者が選球眼が良いと評価されます。

しかし、四球を取ることに関してはバッターの打撃能力や打順、ケースも依存するため、四球の数=選球眼の高さとは言い切れません。そのため、様々な指標、数値、記録を総合的に判断し、バッターのストライク、ボールのアプローチの傾向を知り、それぞれのタイプを判断する事が必要になります。

この事を実際に指標と表しているのが下記のものになります。

O-Swing% (ボールゾーンスイング率)
O-Swing% = ボールゾーンスイング数 ÷ ボールゾーン投球数
ボール球をスイングした割合。選球眼を測る上で本質的な指標の一つで、NPBでは平均30%前後となっている。
Z-Swing% (ストライクゾーンスイング率)
Z-Swing% = ストライクゾーンスイング数 ÷ ストライクゾーン投球数
ストライクゾーン内の球をスイングした割合。選球眼を測る上で本質的な指標の一つで、NPBでは平均65%前後となっている。
BB% (Walk rate)
BB% = 四球 ÷ 打席数
打席に占める四球の割合。四球はボール球をスイングしない事で発生するため、選球眼が反映されやすい。
四球の発生は選球眼だけでなく打撃力、長打力も影響を与えるため、BB%のみで純粋な選球眼を測ることは難しい。
BB/K (Base on Balls per Strikeout)
BB/K = 四球 ÷ 三振
三振:四球。四球数が多く三振数が少ない打者ほどこの数値が高くなるが、一方で四球も三振も多い選手、四球も三振も少ない選手の間で同じような数値が出てしまう。いかにBB/Kに優れていても、四球が少ない打者が選球眼が良いとはいえない。近代野球において四球の重要性は最早明白であり、逆に三振が多いことによる大きなマイナス面は見られないのである。実践において三振数とほぼ同数、あるいはそれ以上の四球を取る選手は「ハンド・アイ・コーディネーション(手と目の連係動作
に優れ、コンタクトの上手い打者」「バッティングのアプローチが適切で、ストライクゾーン管理能力に長けた打者」と評される。
ザ・ハードボール・タイムズ のアーロン・グリーマンは、三振と四球の関係について「ボール球を見送り、カウントを整え、四球を選ぶ能力はプレート・ディシプリン(plate discipline:打席自制心)」「三振数と四球数のバランスを保つ能力はストライクゾーン管理能力」であると見なしており、75四球165三振の打者は際立つ自制心を持ち合わせている反面、管理能力はさほどない。30四球40三振の打者は自制心が欠落している一方、ストライクゾーンを見事に管理している、と解説した上で「どちらのスキルも必須ではないものの、等しく重要である」と結んでいる。
O-Swing% (ボールゾーンスイング率)とZ-Swing% (ストライクゾーンスイング率)はバッターのストライク、ボールへのアプローチの傾向を判断。BB% (Walk rate)は四球の数から見たバッターの選球眼能力を数値化し、BB/K (Base on Balls per Strikeout)は四球と三振から見た、バッターの傾向と能力を判断します。

バッターに求められる能力と意識

このような目的のある指標がある中で、今回はストライクボールを見極める、視覚的判断能力ではなく、ストライク、ボールに対するアプローチの仕方、反射、判断能力の部分に視点を置き選球眼を考察したいと思います。

冒頭でお話しした通り、バッターがボールを見極める能力は視覚的能力より、反射、判断能力の求められる割合は多くなります。また、バッティングの意識やアプローチの仕方で四球数、三振数は変動しやすく、この2つの数から、バッターの能力やタイプを判断する事ができます。

実際にバッターがボールを見極める時にストライク、ボールで判断をするでしょうか。反射、反応能力とは、バッターが打てる球か、打ちづらい球か(もしくは打てない球)と判断する事を指します。

好球必打という言葉がある通り、バッターは自分が打てないと思うボールに対して、スイングアプローチをしません。バッターが打てないと判断した球が、結果ボール球となり、ストライクボールはバッターが打てる範囲の球、ボール球はバッターが打てない球と野球のルールで設定されています。

この事を基準に置くことで、難しい球をわざわざ打ちに行かない=選球眼が良いという判断基準が成り立ちます。よって、必然とストライクスイング率が上がり、ボールスイング率が下がる傾向が生まれ、四球を取る確率も上がってきます。

この事から、選球眼を磨く為には、ストライク、ボールを見極める能力より、打てるか、打てないか判断する能力と、難しい球は打ちにかないという意識を身につける事が大切になるという事が言えます。

その為には自身の得意、不得意のコースを認識する事、1打席、1打席、自分がスイングアプローチをしているコース、高さを把握し、何を打ってどのような打球が飛んだのかを確認する事、以上の事を総合的に理解する事で、自分のバッティングの傾向とバッターとしてのタイプが明らかになり、結果、選球眼の能力も向上します。

この価値、基準を明確にしたうえで、三振数も加味し、バッターのタイプを判断するものがBB/Kという指標になります。

BB/Kの数値は四球が多く、三振が少ないバッターほど良い数値を記録しますが、同じ数値でもバッターを3つのタイプに分ける事ができます。

①四球数が多く、三振数が少ない
②四球も三振も多い
③四球も三振も少ない

好球必打を徹底し、難しい球を打ちに行かない意識を持ち続けると、必然とBB/Kの数値は高く推移しやすくなります。しかし、コンタクト率やストライクスイング率が低いと、三振数が増えて2四球も三振も多いタイプになってしまいます。ホームランバッターにこのようなタイプが多く、狙い球を絞り、強いスイングでアプローチをする事で必然とこのような傾向になりやすくなります。また、先ほどお話しした、打てる球、打てない球をうまく判断できないタイプかつ、早打ちでコンタクト率が高いバッターは③四球も三振も少ない傾向に落ち着きます。

この3つのタイプに当てはまらない、四球が少なく、三振が多いバッターは、BB/Kの数値も低くなり、当然、打率も良い数字を残せずバッターとしての能力は低いと判断されます。

歴代バッターの通算BB/K数値
川上哲治 1.95
王貞治 1.81
張本勲 1.56
長嶋茂雄 1.33
落合博満 1.30
イチロー 1.15(NPBでのもの)

以上の事から、打てる球か打てない球か判断をしっかり行い、好球必打を徹底する事、その事でボールゾーンスイング率が低くなり、ストライクゾーンスイング率が向上し、必然と四球数も増える傾向に推移し選球眼が良くなったということができると思います。またストライクゾーンをきっちり打ち返す事で、打撃に確実性が増し、コンタクト率も上がることで三振数も減少し、結果BB/Kの数値も安定し、選球眼の良い、能力の高いバッターになる事ができます。

選球眼への技術的介入

今までは指標から見た、意識とアプローチの方法についてご紹介しましたが、実際にボールを見極める為には、早い始動でボールを見極める時間を長くすることは必須となります。また、割れをしっかりと作り、手の位置をピッチャーと一番距離を取るようにすること、またバットのヘッドを鞭のようにしならせて使い、スイングスピードを上げ、ミートポイントを近くすることで、必然とボールを見極める時間は長くなり、いわゆるバッティングの間が生まれやすくなります。スイングスピードについては練習やトレーニングを重ね長期的に伸ばしていく部分になりますが、バッティングの始動を早め、間を作ることは意識することで、今すぐ出来ることになります。このような指標や数値、データを元に意識やアプローチの方法を検討し、自身の技術と能力の向上に役立てて頂けたらと思います。

関連記事

藤浪晋太郎とショートアーム 復活のために必要な要素 藤川球児さんの教えから学ぶ事

投手 メジャーリーグで流行!? ショートアームに変える意味とは? 大谷翔平も実践

変化球講座① 亜細亜大ツーシームの投げ方(改良版) 横浜、山崎康晃 ヤクルト、清水昇

千葉ロッテ、佐々木朗希投手 完全試合達成 その要因と成長の明かし フォークが魔球に

大谷翔平選手のバッティングを分析① 打球速度と角度 フライボール革命とバレルゾーン(ホークアイ)

大谷翔平選手のバッティングを分析② 前半 スイング軌道 アッパースイングとは? 

大谷翔平選手のバッティングを分析③ 後半 スイング軌道 従来のホームランアーチストと比べて

バッティングの応用③ 右投げ左打ちの選手に有効!?大谷メジャー流 押し手と引き手の感覚 根鈴道場

バッティングの基本④ 落合博満選手のバッティング理論 バッティングの原点

タイトルとURLをコピーしました